【徹底比較】自動車 安全技術を勝手に格付け
自動車業界は完全自動運転の実現にむけ日々進歩しています。
各社安全技術をパッケージングし各々で名前をつけていることからどの安全技術が優れているのかわかりにくくなっていると思います。
そこで各社自動車安全技術を比較し勝手に格付けしたいと思います。
SUBARU(スバル)
アイサイトver.3
自動ブレーキ性能
作動速度域 記載なし(ほとんどの速度域で作動すると考えられる)
速度低減量 歩行者 35km/h 車両 50km/h
方式 ステレオカメラ
対象 車 歩行者 自転車
またステアリングによる回避操作があった場合は、
VDCで制御する新機能「プリクラッシュステアリングアシスト」によって
回頭性を高め、ドライバーをアシストします。
クルーズコントロール(全車速追従機能付き)
0km/h~100km/hの広い車速域で先行車に追従走行。渋滞時でも追従し、先行車が停止するとブレーキ制御で減速、停止、停止状態を保持 します。
アクティブレーンキープ
ステレオカメラで走行車線両側の区画線を認識してステアリング操作のアシストを行う。
AT誤発進抑制制御
アクセルの急な踏み込みを検知し、誤発進とシステムが判断した場合、警報音と警告表示で注意を促すとともに、エンジン出力を抑え、発進をゆるやかにします。『後進』の場合にも同様の制御を行います。
お知らせ機能
疲れや眠気を検知しお知らせします。
ランクA
自動ブレーキを市販車に初搭載したスバル。さすがというべきでしょう。特筆すべきは自動ブレーキの検知対象に自転車が入っていることでしょう。今現時点においては自転車を検知可能なのはボルボとスバルのみです。ステレオカメラのみでこれをやってのけるのですからすばらしいです。ですがステレオカメラなので視界が悪い時は正常に作動しないこともあるようです。
さらにスバルはアイサイトに追加するパッケージでアドバンスドセーフティパッケージを用意しています。
アドバンスドセーフティパッケージ
アダプティブドライビングビーム
約30km/h以上で夜間走行している時、前方に車両がいない場合はハイビームで走行。対向車のヘッドランプや先行車のテールランプなどを検知した場合は、その部分を自動的に遮光し眩しさを軽減。
スバルリヤビークルディテクション
車体後部に内蔵されたセンサーによって、自車の後側方から接近する車両を検知。ドアミラー鏡面のLEDインジケーターや警報音でドライバーに注意を促します。
ランクS (アイサイトver3+アドバンスドセーフティパッケージ)
アイサイトは前方の安全支援をしていますが、後ろ、横についてはなにも行っていませんでした。しかしアドバンスドセーフティパッケージにより後方の安全も監視できるようになりました。
SUBARU(スバル)安全技術総評
スバルは安全技術において未だに一歩先を行っています。比較的安価なステレオカメラで実現している点もすごいです。自転車検知が他社との比較で一番目につく違いです。他社と比べて優れている点はまだあります。ほとんどの車種でアイサイトとアドバンスドセーフティパッケージが装備可能だということです。優れた技術を持つメーカーでも、大衆車では装備できない(オプションの設定がない)ことが多々あります。安全というのは高級車のみが手にすべきものではないと考えています。大衆車でも高い水準の安全装備がつけられる点は高評価できます。
HONDA (ホンダ)
Honda SENSING(ホンダセンシング)
自動ブレーキ性能
作動速度域 歩行者 5km/h~80km/h 車両 5km~
速度低減量 記載なし
方式 ミリ波レーダーと単眼カメラ
対象 車 歩行者
歩行者事故低減ステアリング
路側帯の歩行者や車線などを検知。歩行者側の車線を逸脱し、歩行者との衝突が予測された場合に、ディスプレイ内の表示と音で警告。さらにステアリングを回避方向へ制御することで、ドライバーの回避操作を促します。
誤発進抑制機能
誤発進抑制機能は、前方に障害物がある状態でアクセルを踏んだ場合に急発進を防ぐ機能です。アクセルとブレーキを踏み間違えて、コンビニに突っ込むような事故も防ぐことができます。
アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
適切な車間距離を保ちながら、前を走る車に自動で追走します。
路外逸脱抑制機能
車両が車線を逸脱しそうな場合に、ディスプレイ内の表示とステアリングの振動で警告。同時に車線内へ戻すようにステアリングを制御します。それでも車線を出る場合はブレーキで制動します。
標識認識機能
走行中に単眼カメラで道路標識を認識し、ディスプレイに表示します。
先行車発進お知らせ機能
ランクB
ホンダセンシングはよくできた予防安全技術パッケージだと思います。現代の自動車に装備されるべきものはほとんどあります。ただ前に対する配慮はありますが、後ろ、横を監視する技術がなく他社と差別化できていません。もうひとつ進んだ技術があるといいかなと思います。
自動ブレーキの速度低減量の記載がなく、自動ブレーキの性能にも疑問が残る。
HONDA(ホンダ)安全技術総評
前述の通り優等生ではありますがもう一声欲しいところ。レジェンドには渋滞追従機能がついているなど先進的な技術もある。しかしステップワゴンには歩行者事故低減ステアリングをつけられないなど車種によってもばらつきがみられる。
TOYOTA
トヨタは衝突支援パッケージとして2種類のものを用意しています。
Toyota Safety sense C
自動ブレーキ性能
作動速度域 10~80km/hで作動
速度低減量 30km/h
方式 単眼カメラとレーザーレーダー
対象 車のみ
レーンデパーチャーアラート
車線逸脱警報システム。音のみでハンドルの補正までは行わない。
オートマチックハイビーム
先行者や対向車のライトを認識し自動でロービーム、ハイビームを切り替える。
この三点がパッケージになっています。
付帯機能として先行車発進告知機能(前の車が発進したことをブザーでお知らせする機能)があります。
ランクD
安価だという特徴を持ちながら性能的に低い赤外線レーザーは、単独だと対象物がどんな物体なのか全く解らずギリギリまで接近しないと急ブレーキを掛けられません。
そこで単眼カメラを組み合わせて車両を認識しています。JACAPから公表された試験結果では停止車両に対して初速50km/hでも衝突しませんでした。TOYOTAは30km/hの減速としていますが路面状況が悪くなければ数値以上の制動力を持つだろうと考えられます。しかしそれらの点を考慮してもこのパッケージは先進的とは呼べません。
なぜなら歩行者を検知しないからです。もちろん車両との接触は回避すべきですが、歩行者との事故がドライバーとして回避すべき最優先事項のひとつだからです。歩行者を検知する自動ブレーキはこれからの主流になるでしょうし、安いことを目的としたお手頃なパッケージなのでしょうがおすすめできません。
Toyota Safety sense P
自動ブレーキ性能
作動速度域 歩行者 10km/h~80km/h 車両 10km/h~最高速度
速度低減量 歩行者 30km/h 車両 40km/h
方式 ミリ波レーダー 単眼カメラ
対象 車 歩行者
レーンデパーチャーアラート(ステアリング制御つき)
車線逸脱警報システム Toyota Safety sense Cとは違いステアリングを制御する。
オートマチックハイビーム
先行者や対向車のライトを認識し自動でロービーム、ハイビームを切り替える。
レーダークルーズコントロール
ブレーキ制御つきで全車速に対応しています。40km/h以下でレーダークルーズは解除されてしまうため、渋滞の時は使えない。
ランクB
次世代の自動車なら最低限ここまでの安全装備はつけておきたい。合格点はあるが、これといって先進的なものがなく他社の安全技術と比較したときに特筆すべき優れた点がないのが残念です。
パッケージングされていない安全技術
インテリジェントクリアランスソナー
車庫入れなどの低速(約10km/h以下)での運転時、超音波センサーが障害物との接近を感知。ブザーとメーター内の表示灯で注意を促し、その後ブレーキをアシストします。
TOYOTAの安全技術総評
TOYOTAは2017年までに全車に予防安全技術を導入すると発表しました。それは素晴らしいことなのですが、ほとんどの車種がToyota Safety sense Cの装備になりそうです。
Toyota Safety sense Cの自動ブレーキは歩行者を検知しません。Toyota Safety sense Pに関してはTOYOTAらしい無難な出来となっています。他社は側方、後方においても予防安全技術を導入しているのに比べるとやはりやや劣るでしょう。それに現在Toyota Safety sense Pが装備できるのはプリウスとラウンドクルーザーのみです。クラウンにもまだToyota Safety sense Pは導入されていません。TOYOTA全体が安全技術に遅れをとっていると言えるでしょう。
*追記
クラウンにも Toyota Safety sense Pがつけれるようになり少しづつ改善しています。
ただ、ACCの全車速対応が見送られるなど、まだまだ本気になっていないのが気になります。
『C-HR』にはACCが全車速対応のものが搭載されました。
まとめ
ここまで勝手に安全技術を格付けしてきました。 しかし単純には比較できない部分があります。それは車種による違いです。メーカーとしていい技術を持っていたとしても、まだその安全技術が導入されている車種が少ないというメーカーもあります。グレードによっても安全技術がつけれないものがあるなど差をつけているのが現状です。
しかし自動車業界の大きな流れとして、新型車から安全技術を標準装備にし始めています。この流れは今後加速すると思われます。現時点ではあらゆる車種に安全装備を導入しているスバルが一歩リードしていると言えると思います。しかし数年前と比べると各社横並びに近い状況になってきており最低限の基準はどのメーカーもクリアしています。
もっと予防安全技術が普及し事故が少なくなればと願っています。
しかしこのような技術はあくまで補助的なものです。前述のようにすべての事故を完全に防ぐまには現時点では至っていません。言うまでもありませんが事故による責任はドライバーが負います。日々安全運転を心がけ運転しましょう。