海外行くと人生観が変わるという話はよく耳にしますよね。
海外に行っただけで人生観が変わるほど、お前の人生観は薄っぺらいのか。お前の20数年はなんだったんだと言いたくなります。
ですがもっと恐ろしい体験を私はしました。
ある本を読んだんです。もちろん外に出ることもなく、何時間かかることもない。せいぜい2、3時間読んだだけです。
でも変えられてしまった。私の積み上げてきた価値観が一瞬にして崩れ去った。
『ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく』読んだら人生観変わりました
まず断っておきたいのは私は堀江貴文氏のファンではありません。逆に言えばアンチでもないです。
というよりも堀江貴文氏のことをあまり知らないし、興味もないです。いや、なかったというべきでしょうか。とにかくこれといって印象がないです。
昔経済学の講義で教授が「堀江貴文はなにか特別悪いことをしたわけではない。経営ではよくあるグレーなことをしただけだが、目をつけられて逮捕された」というようなことを言っていました。
その講義をたいして真剣に聞いていなかった私にはその真偽の確かめようもないですが...彼がなぜ捕まったのかについては知らないですし、この本にも書かれていません。
この本に書かれているのは彼の思想です。
何のために働くかという究極の問いに答えを出した。
前半はホリエモンの生い立ちを語りながら、後半はホリエモンの働くことに対する姿勢が書かれています。
では、僕にとっての仕事とはなんなのだろう?目的がお金じゃないとしたら、なんのために働いているのだろう?
ここはぜひ、自分自身の問題として考えてほしい。
あなたにとっての仕事とはどんなもので、あなたはなんのために働いているのか。
もちろん、「メシを食うため」とか「家賃を払うため」は理由にならないし、そこで考えを止めてしまうのは、ただの思考停止だ。衣食住に事足りていながらも働く、その理由を考えてほしい。出典:第3章 働くことで一歩を踏み出す vol.1 あなたはなぜ働くのか?|ゼローーなにもない自分に小さなイチを足していく|堀江貴文|cakes(ケイクス)
『働く理由』で、「メシを食うため」とか「家賃を払うため」は理由にならないらしい...
でも多くの人が働く理由に対する思考をここで止めていると思います。おそらく働くということは多くの人にとって、「メシを食うため」とか「家賃を払うため」ということの意味しか持たないです。
就活中に抱いていた大志も日々に忙殺されいつしか忘れ去られてしまう。それが今の日本の現状かなと思います。
それではダメなのはなんとなくわかっています。でもしょうがないんです。
日々のタスクをこなすことで精一杯だし、周りもそうしています。日々の充実なんて考えるだけ無駄です。働く理由を考えても一円も稼げない。「なんのために働いているのか」を考えると頭がおかしくなりそうなんです。
それでも『働く理由』を考える。考え抜く。
そんな世の中ですけど、それでも考え続ける必要があるということを気づかされました。
多くの就活生は『働く』ことにあまりポジティブなイメージを持っていません。『働く』ことが我慢を強いるものだということをなんとなく知っているからです。そして多くの大人達は『我慢に耐える』という選択をしました。
『働く』ことが苦痛だというのは当たり前のこととされています。
でもそこから考えなおしていく必要があります。なぜ『働く』ということが苦痛なのかもっと問い詰める必要があります。
当たり前とされている価値観に目を向け自分で考えてみる
貯金に励みわが子や教え子たちにまで貯金を推奨する人たちは、面倒なことを考えたくないだけなのである。
お金のことも、将来のことも、自分自身の生き方も、なにひとつ真剣に考えたくない。自分を信じられず、他人を信じられず、お金だけしか信じるものがなく、いざというときのために貯金をし、いざとなったらカネで解決しようとしている。そんな態度が、本当に美徳と呼べるのだろうか?
貯金について堀江貴文氏はこのように述べています。本当にこれは衝撃的でした。
貯金というのは万物の解決策だと思ってしまいがちなのですが、堀江貴文氏がこのように考えているとは...
貯金だけに限らず何か大多数の人が良しとしているから、同じようにやろうってこと多いですよね。
そんな何故だかあたりまえだとされていることに疑問の目を向けていく。そういう姿勢が必要なんだと思いました。
この本を読んで人生観が変わったのはなぜか?
海外に行って人生観が変わるというのは、おそらく日本では目にすることがないような多様な価値観に出会えるからだと思います。
ですが、この本に書いてあるのは別に真新しい考え方とかではないです。ただただ当たり前のことが書いてあるだけです。
しかし、それは私たちが生きていく中で理想でしかないと切り捨ててきたもの達です。『働く』ことが苦痛なのではなく私たちの働き方が苦痛をまねいているのです。
ですがそれをしょうがないことだと考えてきました。
「大多数が受け入れているから」という理由にもなっていない理由に納得してきました。多くの矛盾について考えているようで考えてきませんでした。そのほうが楽だったからです。
私たちが『現実』と呼んでいるなにかを辛いと感じながらも思考停止して受け入れていたんです。
もうそんなことは辞めよう。
これからは、もっともっと考えて、考えぬいてやろう。
そして自分が正論ではあるけれど、現実的ではないと考えてきた、もしくは考えさせられてきたものを信じて生きていきたいと思います。
堀江貴文氏の本を読んだのは初めてですが、ここまでメッセージ性があり心に響くとは思いませんでした。今まで忘れていたこと、知ってはいるけど心の奥にしまいこんでしまったことを引っ張り出してくれるいい本でした。
この本を読んでも新しい価値観に触れることはないです。しかし、忘れていたことを思い出させてくれる本です。
そういう意味ではくやしいですが一冊の本に人生観を変えられてしまいました。
『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく 』超おすすめです。
新著『多動力』も読んだのですがこれもまた最高でした。