『クローバーフィールド・パラドックス』で遂に”やつ”の正体が!!3作目は面白かったか
『クローバーフィールド・パラドックス』が急にネットフリックスで配信になりました。突如として出現したところが『クローバーフィールド』らしい演出でもありますね。
早速解約していたネットフリックスを再開して観たんですが...
なんと今まで謎に包まれていた”やつ”の正体が明らかになります。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』『10クローバーフィールド・レーン』を見て正体が気になっている方は見るしかない本作品。
このあらすじを見ただけでは「なにが何やら」って感じですよね。本当に『クローバーフィールド』の続編!?っといった感じでしょう。
まだ見てない方は予備知識はこのくらいにして作品を見てみてください!!1時間40分くらいの映画ですのでサックと見れますよ。"やつ”の正体はぜひ自分の目で確かめてみてください。
ここからはネタバレ&酷評のオンパレードで行きまーーーす
”やつ”の正体ってこれ!?
クローバーフィールドといえば謎の生命体の存在がキーですよね。しかも前2作品では”やつら”の謎について一切触れられておらず、考察がたくさんでました。
「アメリカ軍の軍事兵器として研究されていた生物の暴走」や「地球に侵略した宇宙人」ほかにも「地底人説」などいろいろと憶測を生んでいました。
そして今作で明らかになったのが”やつら”は時空と時空がぶつかり合うパラドックスにより生まれた怪物、魔獣、なにかであるということ。
「いやーパラドックスにより生まれた怪物でしたか。腑に落ちました」ってなるはずもなく...
なんじゃそりゃ
この一言につきます。
ピースが埋まり余白がないからつまらない
正直、どんな理由にしたとしても観ている人は納得しなかったと思います。
よくよく考えてみれば考察されていたオチはどれもチープで「”やつら”がいったい何者なのか」という問いそのものが「クローバーフィールド」シリーズの醍醐味だったような気がします。
このシリーズが素晴らしかったのは勝手に推測できる余白があったからなんです。
映画としては2流と言わざるをえない作品でも余白を自分で補完しなければいけない点が我々をひきつけていました。
それが今回ピースが埋められ答えが提示されてしまいました。
ネットフリックスのCMでは「この恐怖は始まりに過ぎない」と銘打っていますが、「終わってしまったな」というのが今作の印象です。J・J・エイブラムスは大風呂敷を広げて謎だらけにするのは得意ですが、その先が...
映画としてはスリル・サスペンス・ドラマすべてが不足
2作目の『10 クローバーフィールド・レーン』はクローバーフィールドの世界観×密室サスペンスという素晴らしい組み合わせで映画としてもそこそこ楽しめましたが、今作は不満が残ります。
クローバーフィールドシリーズの答え合わせという大きな役割を持っている『クローバーフィールド・パラドックス』ですがプロットに特筆すべき点はなし。
パラドックスとか出てきた時点で興ざめだったのでハラハラドキドキもなく、ありがちなハリウッド映画という感想です。
切れた手がひとりでに動いたり奇怪なことは幾度となく起こるんですが、いまいち盛り上がりにかけました...
謎がないなら人間ドラマでもっと楽しめないとキツイなというのが正直な気持ちです。
『クローバーフィールド・パラドックス』は原子力発電所のアンチテーゼ!?
続編を作る気満々ですが、いったんクローバーフィールドシリーズは終わったと言えます。謎を考えるという要素がなくなって一気に陳腐化してしまいました。
シリーズのファンとしては無理やりにでも考察したい気持ちが沸々とわいてきます。いや、やってやりますよ。
今作は原子力発電の皮肉になっている説を提唱します。
「シェパード粒子加速器の実験」ってもろ原子力発電じゃないですか。
膨大なエネルギーを生み出すために怪物を生み出してしまうわけですが、それは原子力発電の構図をどんどん膨らませてグロテスクにしたものと言えます。
エネルギーと引き換えに恐ろしい廃棄物がでてある日コントロール不能になる。まさに原子力発電へアンチテーゼでしょう。
こういう風に考えていると他方では「それは違う」っていう意見が出てきて、それをまた考えて。
クローバーフィールドはやっぱりおもしろい!!もっと考えれる余白をくれ!!
クローバーフィールドは終わった。次回作は更なる謎に期待
『クローバーフィールド・パラドックス』はクローバーフィールドのアンサーとして一区切りをつけたという意味で価値のある作品だったかなと思います。
気が早いですが次回作があるのであれば、ぜひ更なる謎を投下して欲しいですね。
謎が謎を呼ぶ『LOST』のような展開を期待したいです。間違っても怪物VS人類のバトルものにはならないで...
次回作では『10クローバーフィールド・レーン』のような映画としても楽しめるハラハラ・ドキドキする作品を期待したいです。