全然反省していない佐川急便
佐川の配達員の方が荷物をブン投げている(というより叩きつけている)動画がYouTubeにアップされ話題になっています。
そして先日、佐川急便はこれを自社の配達員だと認め謝罪しました。
同社は「従業員の軽率な行動により、ご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございません。モラル教育の再徹底を行い、再発防止に努めます」と発表。
ん!?
お前ら全然反省してないな
この問題を個人のモラルの問題とすりかえるなよ。原因はむしろ佐川自身にあるだろ。
この問題における様々な意見と超私的な視点
この動画について色々な意見があるでしょう。
「人の物を投げるなんてモラルがない」という意見もあるでしょう。
ただ、そんな小さな個人の問題なのか?とわたしは感じています。
これを個人のモラルの問題と片づけていいのでしょうか?
わたしも通販を利用するので自分の物がブン投げられるのは嫌ですよ。だからこそ、この一件は「荷物を叩きつけた個人がサイコパスでした」なんて結論にしちゃダメだと思います。
もっと原因の根深いところを探っていかなければモラルのない配達員がいなくなることはありません。
ただ、なぜ佐川の配達員の方がこのような行動に至ってしまったのか、不透明な部分も大きいです。
ですのでここから先に書くことはわたしの想像でしかありません。
佐川の配達員の行動の原因は劣悪な労働環境のせい
これについては推測するしかありませんが、今回は日常的に物を雑に扱うとかそういうレベルを超えています。怒りを持って荷物を叩きつけています。
それに普通に道で見えるところでやっていますから隠れて荷物にあたるという理性もない。完全に自暴自棄になっています。
時間指定されているのに不在だったのではないかという指摘がネット上ではありました。
真偽の確かめようはありませんが、この配達員が極限状態にあったというのは間違いないでしょう。
執拗なパワハラ、不可能な配達ノルマなど考えられることは山ほどあります。
そういった仕事でのストレスが彼を追い詰めこのような行動に至らせたのではないでしょうか。
佐川は安さを売りにした配送業者です。その安さゆえ、人件費へしわ寄せが行くのは当然の結果でしょう。人が少なければ一人に任せられる荷物の量はおのずと増えます。一人に任せられる荷物の量が増えればそれだけ大変な労働になるのは明白です。
議論されるべきは彼のやった行為の是非ではない
「どんなことがあったにせよ、人の荷物にあたるのはよくない」こういう意見もあるでしょう。
ただ、「べき論」の声が大きくなると状況が良くならないと思います。
あたりまえのことですが荷物を叩きつけるなんてよくないに決まっています。
ただ、実際にそのようなことが起きてしまった。個人をいくら攻撃したって意味がないんです。もしこの問題が個人の処罰で終わるなら、全く同じようなことが3年以内に起こるでしょう。
ここで省みるべきは個人のモラルではなく会社のシステムです。
100歩譲って個人のモラルが原因ならば学校教育を見直すべきなのです。
人である以上ミスはします。気分が優れない時もあるでしょう。
そこで佐川という企業のシステムを一から見直す必要があるでしょう。休みはちゃんとあったのか。一人に割り当てられる作業量は適切であったのか。
もっと言えば配送サービスのありかたを見直すべき時にきているのかもしれません。
インターネットが普及し通販を利用する人が爆発的に増えました。
再配達が無料というのは見直した方がいいかもしれません。もちろん消費者でありサービスを享受する立場であるわたし達にとっては都合のいいサービスです。
ただその裏で低賃金の重労働をしている人がいる事実を忘れてはいけないでしょう。
佐川急便がやるべきはモラル教育の再徹底ではなく労働環境の改善
モラル教育の徹底で再発防止できると思っているならバカもいいとこでしょう。実際はそんなもので再発防止できない事くらいわかっているとは思いますが...
まずは機械化できるところは機械化したほうがいい。こういった重労働はどんどん機械化していくべき分野です。人も増員するべきでしょう。
それで採算が取れないなら値上げすべきです。
日本人は調和を重んじすぎているかもしれません。組織がなんのためにあるのかもう一度考える必要があるように思います。
お客様を神様だと思うのは結構ですが労働者を奴隷としてみるのは違うでしょう。
撮影者がどういう意図で佐川急便の配達員の方を盗撮した動画をあげたのかわかりませんが、佐川の労働環境改善に一役買ってくれることを望みます。