『雲のむこう、約束の場所』の感想は一言でいうなら「わかりにくい」
勝手に一人で新海誠祭りと称して新海誠監督の作品を見ています。
今回は『雲のむこう、約束の場所』を観ました。
この映画はとにかくわかりにくいと思いました!!
特に設定部分がわざと難解な感じにしていて説明不足な部分が多いかと...
エヴァへの意識を感じますね。
上映中でしたらパンフレットなどの設定詳細を見れば理解が深まるんですけど、公開はかなり昔...
一応ネットで調べましたのでその辺も参考にしながら自分の理解を共有したいと思います。
『雲のむこう、約束の場所』のあらすじ
日本が南北に分断された、もう一つの戦後の世界。米軍統治下の青森の少年・藤沢ヒロキと白川タクヤは、同級生の沢渡サユリに憧れていた。津軽海峡を走る国境線の向こう側、ユニオン占領下の北海道に建設された、謎の巨大な「塔」。
いつか自分たちの力であの「塔」まで飛ぼうと、小型飛行機を組み立てる二人。
三年後、ヒロキは偶然、サユリがあの夏からずっと原因不明の病により、眠り続けたままなのだということを知る。サユリを永遠の眠りから救おうと決意し、タクヤに協力を求めるヒロキ。
「サユリを救うのか、それとも世界を救うのか」
はたして彼らは、いつかの放課後に交わした約束の場所に立つことができるのか…。出典:dTV
あらすじはこのようなものなのですが、なかなか文字で全ての説明ができないような内容です。
前知識なしで観たので最初は世界観を掴むのに苦労しました。
というよりも世界観を掴みきれないままエンドロールをむかえるという緊急事態に...
意味不明なワードも多く難解な映画でしたので、設定をまとめておきます。
現時点での状況(物語の世界観)
日本が南北に分断されたという設定が大きなポイントとなっています。
日本列島は北海道とその他に津軽海峡を境に分断されました。
北海道はユニオンという組織(国)が統治しておりその他の日本列島は連合国が所有しているという状況のようです。
そしてユニオン側が有している土地である北海道(蝦夷と呼んでいる)にはとても高い白い塔が立っています。
塔がいったいなんなのかは連合国側は知らず、兵器かもしれないという疑念から軍事的緊張を高めていました。
そんな事など知る由もなく連合国側の青森に住んでいるヒロキとタクヤは、塔に興味深々。
サユリと三人であの場所に行くという約束をしたことがこの物語のキーになっています。
タイトルの約束の場所はこの塔を指しています。
この北海道とその他日本列島の関係とかユニオンと連合国とかその辺の整理にかなり時間がかかりました。
「ユニオンの塔」はいったいなんのためにあるの?
こちらは映画内での明言はされていないので推測していきます。
この「ユニオンの塔」がこの映画の軸になっています。
塔は別の平行世界とつながっているという設定があり、別の平行世界を見るため建設されたようです。
未来予知にユニオン側は利用していたのでしょう。
その副産物として平行世界への置き換えが起こってしまいます。
これが連合国を震えあがらせている元凶です。この塔がいったいなんなのかは連合国側は知りません。
自分たちの領土を平行世界が呑み込んでしまうのではないかという恐れが戦争を呼び起こしました。
ただこれはユニオン側の意図したものとは違ったんだと考えています。
なぜなら北海道はユニオンの領土であり、この塔はど真ん中に象徴的にそびえたっているからです。
わざわざそんな兵器を自国に置かないでしょ。
そうすると平行世界への置き換えは意図的なものではなかったと考えるのが普通ではないでしょうか。
オープニングとエンドの乖離
オープニングは主人公がくたびれたサラリーマンになっていて若き日を懐かしむ描写があります。その様子は悲しみに満ちていました。
それにも関わらずエンドはハッピーエンド風な終わり方になっています。
サユリを目覚めさせ、世界の浸食もミサイルで塔を破壊し食い止めすべてがうまくいったようなエンドだったにもかかわらず...
世界もサユリも救ったぜ!!やったーっていう展開なんだと勘違いしましたが...
サユリがヒロキを大好きだった気持ちを目覚めた瞬間忘れてしまうなど違和感というか不信な点はありましたがおおむね丸く収まった感じ。
映画公開後に小説版がでたようで、その小説にはその後の二人の様子が描かれています。
その小説版によればサユリとヒロキは同棲したものの、その後別々に生きていくことになります。そしてオープニングに繋がります。
オープニングはそんなサユリとの別れを経て喪失感にくれるヒロキを描写しており、この物語がハッピーエンドで終わらなかったことを強く示唆しています。
ヒロキ、え...
命賭けて救ったのにうまくいかないものですな。
個人的にはなんの脈絡もなく鬱エンドとは納得いかない
新海誠監督のお得意の鬱エンドとなったこの作品ですが、わたしは別にハッピーエンドでよくない?と思っています。
鬱エンドならそれはそれで前兆がないと納得できないでしょう。
取ってつけたようなオープニングに小説版で追加されたエピローグで「これ最後は鬱展開なんで。特別な繋がりがあったような二人は別れちゃうから」って言われてもね。
蛇足じゃない?
鬱展開がこの作品の魅力を高めるならまだしも、ね。
別にアクセントにもなってないですし。
こういう展開なのは新海誠監督が背景だけでなく、グロテスクな現実まで模写しようとしているからだと思います。
新海誠の作品はどれも現実を切り取ったきれいな背景が用いられます。
おそらく絵のリアリティを追及しようとした結果グロテスクな現実まで模写してしまった。
「現実ってこんな感じで残酷だろ。ファンタジーじゃないんだぞ」っていうのがびしびし伝わってきます。
こういう描写不足の設定はいらなかったんじゃないかな。
『雲のむこう、約束の場所』の反省が『君の名は』にいかされている
『君の名は』は『雲のむこう、約束の場所』のリメイクといっていいくらい似ている部分が多いです。
といっても新海誠の作品はどれも似ていますが。
『雲のむこう、約束の場所』を明らかに意識したシーンもありますし題材も似ています。
『雲のむこう、約束の場所』の反省が『君の名は』にいかされていますね。
『君の名は』はかなりうまくできています。よりエンタメでより万人受けする映画に仕上がっている!!
『雲のむこう、約束の場所』でもやもやしちゃった方はぜひ『君の名は』を見てみてください!!
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